2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

笙野頼子『金毘羅』

出生直後に死んだ女の子に宿った金毘羅が中年となって、自身と母金毘羅の記憶を回想していく一代記。神と仏、あるいは神同士の習合であるとされる金毘羅神が、海に生まれ落ち、死んだ女の子の中に入り込むシーンからこの小説は始まるのだが、以降のあらすじ…

三島由紀夫『豊穣の海』第三巻「暁の寺」

三島由紀夫の手がけた大河小説、「世界解釈の小説」四部作。第一巻「春の雪」は一年生、第二巻「奔馬」は二年生と一年ごとに読み進め、三年の夏に第三巻「暁の寺」。大学生活のライフワークみたいになっている。 悲恋によって本田は親友の清顕を喪い、その生…