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太宰治「道化の華」

読んだ。すげーなこれ、すげーつくりしてるな。びっくり。 さて、今回は太宰治の「道化の華」。作品の構造は多層構造で、大庭葉蔵を主人公とするパートと、それを小説として書いている僕の語りが入り交じりながら話は展開していく。「大庭葉蔵はベツドのうへ…

笙野頼子『レストレス・ドリーム』

「レストレス・ドリーム」、「レストレス・ゲーム」、「レストレス・ワールド」、「レストレス・エンド」の四章からなる長編。 ゾンビがひしめく悪夢の街、スプラッタシティに閉じ込められた桃木跳蛇はロールプレイングゲームのように戦いを繰り返し、脱出を…

新海誠「君の名は。」

やっと見てきました。新海の映像は本当にきれいで、アバンの彗星でちょっと泣いた。何も事件が起こってないのに! さて、「君の名は。」は新海誠の最新作⚫大好評上映中のアニメ映画。ネットに感想を公開する性質上、迷い混んでこられた未見の方が楽しみを奪…

笙野頼子『金毘羅』

出生直後に死んだ女の子に宿った金毘羅が中年となって、自身と母金毘羅の記憶を回想していく一代記。神と仏、あるいは神同士の習合であるとされる金毘羅神が、海に生まれ落ち、死んだ女の子の中に入り込むシーンからこの小説は始まるのだが、以降のあらすじ…

三島由紀夫『豊穣の海』第三巻「暁の寺」

三島由紀夫の手がけた大河小説、「世界解釈の小説」四部作。第一巻「春の雪」は一年生、第二巻「奔馬」は二年生と一年ごとに読み進め、三年の夏に第三巻「暁の寺」。大学生活のライフワークみたいになっている。 悲恋によって本田は親友の清顕を喪い、その生…

小森陽一『大人のための国語教科書 あの名作の"アブない"読み方!』

森鴎外『舞姫』、夏目漱石『こころ』、芥川龍之介『羅生門』、宮沢賢治「永訣の朝」、中島敦『山月記』の定番教材とされる五作がここで取り上げられ、学校で行われる国語・文学教育の批判。 僕が学校で触れた教材は『羅生門』と『山月記』、それから『こころ…

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』

言わずと知れた、日本童話の金字塔。学校に通いながら病床の母親との生活費を稼ぐジョバンニと、親友のカムパネルラは銀河鉄道に乗って天上へ向かう、という話。 賢治は厳しく豊穣な自然や、それを侵略する人間文明をよく扱う。これは賢治自身の文明や身体へ…

伊藤計劃『ハーモニー』

伊藤計劃『ハーモニー』 夭折した伊藤の第二長編。 大災禍、ザ・メイルストロムと呼ばれる核戦争後の世界を席巻する生命主義と呼ばれる超高度医療文明に不和を感じる霧慧トァンは、同じくどうしようもない程に生命主義を嫌悪する少女、御冷ミァハに見出ださ…

加藤周一著作集『日本文学史序説』

講義だの教職だのサークルだので、学校が始まってからなにかと忙しい。授業の課題で小説は読んでいるものの、自分の読書がほとんどできなくなっている。せっかく図書館から借りた『ゼロ年代の想像力』『金比羅』も積ん読状態だ。 で、通学だとかの隙間を縫っ…

加藤典洋『僕が批評家になったわけ』

批評とは何か。それに明確な答えを返せる人はすごいと思う。 ネットで辞書を引けば、「よい点・悪い点などを指摘して、価値を決めること。」とある。単純明快だ。疑問の余地はない。 では評論との違いは何か、批評と感想はどう違うのか。作品に宿る批評性と…

筒井康隆『家族八景』

小学生の頃、テレビドラマで『七瀬ふたたび』を見ていた。テレパスの七瀬の他にも念力やタイムリープといった超能力オールスターズの話で、毎週わくわくしながら見ていた。このドラマの原作の同名小説には前作がある。言ってみれば僕は第二期から七瀬のスト…

坂上秋成『夜を聴く者』

久しぶりに、THE・純文学を離れてエンタメ小説を読んだ。キャラクター小説、ライト文芸のジャンルになるのかな。 二作品収録されていて、長編の表題作と、短編の『パーフェクト・スタイル』。 表題のあらすじを表面だけなぞると、鍼灸師のミハイは青春時代か…

谷崎潤一郎『春琴抄』

変態文学(誉め言葉)好きなら避けては通れぬマゾヒスト、日本文学の輝く変態、谷崎潤一郎の名作。 純日本的な文体を目指した、と言われる文体は饒舌というよりも、抑制の利いていて、読点が必要最低限以上に削られた長文の語りが特徴、というか、壁だ。慣れる…

村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』

ゆっくりでもいいから、村上春樹全集を読破しようと思って半年。学校の図書館に借りられたままだった第四巻が帰ってきていたのですぐ借りて読んだ。一週間と少しかかった。 実はこの作品、二年前にも読んだことがあったので通読は二度目だ。村上春樹作品は、…

斎藤環『戦闘美少女の精神分析』

斎藤環『戦闘美少女の精神分析』を読んだ。『風の谷のナウシカ』、『セーラームーン』、『新世紀エヴァンゲリオン』などジャンルを問わず現代日本アニメには戦う美少女が登場する。 それは『ルパン三世』の峰不二子や、アメリカの映像作品に描かれる成長した…

G・ガルシア・マルケス『百年の孤独』

G・ガルシア・マルケス『百年の孤独』を読んだ。大作。南米の架空の村マコンドの盛衰がマジックリアリズムの手法で描かれている作品。この方法の代表作であり、かくいう自分もマジックリアリズムってどんなんかなーと調べていた過程で知った。似た手法(ジャ…

映画『たまこラブストーリー』

記念すべき初感想は京アニの『たまこラブストーリー』。テレビシリーズ『たまこまーけっと』の劇場続編。監督は引き続き山田尚子。今さら、と思ったけれど、面白かった。 実写的な演出が監督の持ち味らしく、かなりカメラ的なシーンもあったりしてかなり新鮮…